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継承
初代治兵衛にあたる祖父は名古屋で、4〜5代、続く木地師の家に生れました。腕の良さを示すものとして、向こうが透けて見えるほど極薄挽きを得意とする木地職人でした。家には、祖先らが自由に森に入り木を切ってもよいという許可状が伝わっています…
長い歴史を持つ日本の漆芸
名古屋 八勝館にて
削ること ハツルこと
昔の木地師たちは、先祖代々、山に入り良い木を選ぶとその場で切り倒しました。そして、作りたい茶器や菓子器・盆などの大体の形に荒取りしてから籠にしょって里に下っていました。荒取りしたばかりの木は滴るほど水分をふくんでいる為、チョウナやナタという大きな刃物で、ざくざくといらない部分を大胆に削りとり、なるべく軽い形にして運びその後 長い時間乾燥させてから轆轤にかけて挽いていました。 今回の茶器はその荒取りを生かしきった形をめざしました。意図的なデザインではない、ただ削るという単純さはかえって力強さを魅力的に生み出しました。
![th_KMK-9227](https://jihei.com/gallery/wp-content/uploads/2023/10/th_KMK-9227.jpg)