木地と塗り

木地と塗り
村瀬治兵衛の仕事

■会期 :10月30日(水)から11月12日(火)
■場所:伊勢丹新宿店本館5階 = キッチンダイニング/ 茶道具
〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目14番1号
■営業時間 10:00 から 20:00 ※最終日のみ18:00 閉場

村瀬治兵衛の水指は、欅の大木から削り出したものです。欅の良材に出会いようやく乾燥がすすんだから作ることができました。原生林から出てくる大木が激減した現在、この大きさのものをいつまで作り続けられるのだろうかと思うこともしばしばです。 木の魅力をいちばん感じていただけると思っています。
また治兵衛の漆器は、「見た目よりも軽いですね」とよく言われます。大ぶりですが、「掌になじむ形で持ちやすい」とも言われていて、飯椀として使っている方もいらっしゃいます。うちでは鍋物を取り分けるのに重宝しています。椀ですから汁がよそいやすく、 しかも冷めにくくて、鍋のしめの雑炊や麺も食べやすい。とても具合がいいのです。
高台の内側はノミで仕上げてあって、ザングリとした印象です。このノミ跡が、椀の力強さの元になっています。薄挽きなのに力強いスタイルは、北大路魯山人が初代治兵衛に指導したものと聞いています。
山奥の原生林の木から作られた漆器たちは、これから100年かけてゆっくりと成長していきます。それは、木を選び、よい形を挽き、入念に塗りを重ねているからです。ぜひ手にとってみてください。

作家在廊日:
11月 3日(日)11:00から17:00
11月10日(日)11:00から17:00